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女性の健康プロジェクトの産学連携データに基づく共著論文が米国の専門誌に掲載されました

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本学「女性の健康プロジェクト」に参画する研究チームの論文「Career advancement and fertility intention among working women in Japan: a cross-sectional survey study.(日本誤訳:就業女性の昇進意欲と出産意向に関連する職場?健康要因)」が、国際査読誌(BMC Women's Health)に受理されました。

出典:Yoshida, H., Nishikitani, M., Okamoto, M. et al. Career advancement and fertility intention among working women in Japan: a cross-sectional survey study. BMC Women's Health 25, 424 (2025). 

研究概要

 背景

これまでの少子化社会対策に関する研究はマクロ要因が中心で、就業女性の健康行動?キャリア展望?働き方条件が出産意向に及ぼす相互作用は十分に検証されていませんでした。本研究は産学連携の大規模職域データを用いて統合的に分析し、睡眠や自己効力感、正規雇用や昇進見通しなど介入可能な要因を分析しました。特に、本研究は、少子化が深刻化する日本において、就業女性の出産意向を「健康状態?医療アクセス?雇用形態?職場環境?キャリア志向」の多面的指標で検証を試みました。

 方法

本研究は、丸の内エリア14社と共同で実施した「働く女性 健康スコア」調査(2022年9月13日~10月11日、オンライン)に基づく横断研究で、19~65歳の就業女性3,425名のうち40歳未満1,621名を対象に、出産(追加出産)意向の有無とその関連要因を検討しました。マクロ要因中心の従来研究に対し、産学連携で得た実務近接データを用い、個人の健康行動や雇用安定?昇進見通しといった介入可能な要因を特定し、職場施策および政策設計への具体的示唆を導くような分析を行いました。

 主な結果

出産意向がある女性は、年齢が若く、既婚で、健康管理に積極的でした。体力への自信や睡眠の質も高い傾向が認められました。雇用安定性(正規雇用)、職種(営業系>事務系)、キャリア上昇志向も出産意向と関連しました。月経痛?PMSの重症度や健康リテラシー全般、ワークエンゲージメント、職場における男性同僚の女性特有症状への理解度には有意差を認めませんでした。

 意義と展望

本研究は、日本の少子化?超高齢社会において、キャリアと家族形成の両立を支える具体的な方策を示すものです。とくに、雇用安定性、昇進?成長機会の可視化、柔軟な働き方、復職支援、予防的ヘルスケア(睡眠?運動?婦人科アクセス)の強化は、出産意向を後押しする重要施策となる可能性が示唆されました。本研究は産学連携による大規模職域データを用いて、健康状態?医療アクセス?雇用安定性?職種?キャリア動機?職場ダイナミクスを統合的に分析した点で新規性があり、特に、睡眠や自己効力感などの健康行動、正規雇用や昇進機会の見通しといった「介入可能な要因」を同定し、キャリア形成支援と家族形成支援を同時に高める実装可能な職場施策(柔軟な働き方、復職支援、評価?登用の透明化、婦人科受診環境の改善等)を示し得ることが画期的であると考えられます。

今後は、縦断データによる因果推定と、職場介入の実装?効果検証を産学で推進していく予定です。今後も引き続き、少子化対策を「職場と健康」を起点に再設計するための提言を見出し、企業の人事?健康経営?ダイバーシティ施策、ならびに公的な労働?保健政策の高度化に資するエビデンスを提供していく所存です。

詳細は掲載論文をご参照ください。

 参考リンク
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